油の話を取り上げようと思います。
この油の話を知っているか知らないかで、食事の考え方が大きく変わるほどの大切な知識です。
きっとペットの健康だけでなく、みなさま自身の健康にも役立つでしょう^^


油と聞くと、健康の敵のように思ってしまう方が結構いらっしゃいます。
たしかに油はカロリーが高いために、肥満に関連する病気のときは量に気をつけるのが基本です。

ただし油の中には必須脂肪酸と呼ばれるどうして摂らなくてはいけない油があります。
ですので極端な油抜きでむしろ病気を誘発してしまう心配があります。
ペットフードの場合は油ゼロになる心配はいりませんが、手作りの場合はちょっと気をつけたほうが良いかもしれません。


その大切な必須脂肪酸の中でも特に欠かさないでほしいと思っている油があります。
今日の話の中心になりますEPAとDHAと呼ばれる油です。
私も食事アドバイスさせていただくとき、必ずと言っていいほどこれらの油を提案に組み込みます。


きっとみなさんも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
頭が良くなる油、魚に入っている油とご存知でしたら正解です!
他にもいろいろんなメリットがあって、最近は大手製薬会社もサプリメントとして発売するほどです。


このEPAやDHAはオメガ3オイルという種類に分類される必須脂肪酸で、魚に多く含まれ、逆に肉類にはほとんど入っていません。

ちなみにオメガ3オイルとして最近人気の亜麻仁油やエゴマオイルには、実はEPAやDHAが含まれておらず、それらに含まれるのはαリノレン酸というEPAやDHAになる前の油です。
ヒトはうまく体の中で変換できるのですが、犬猫たちには苦手かもしれません。


私がこのEPAとDHAをおすすめしている最大の理由は、その抗炎症作用にあります。
よく相談を受ける病気に肝炎がありますが、これは肝臓の炎症ですし、がんも炎症性疾患のひとつです。
それらの治療のサポートとして与えることを私はとても良い方法だと考えています。


そしておすすめするのは治療時に限りません。
健康維持目的にもEPAやDHAを与えることにはメリットがあります。


最近の研究でわかってきたことですが、健康度を低下させたり、寿命を短くしてしまう原因のひとつは体内で起こっている慢性的な炎症です。
慢性炎症が少ない人に、長寿の傾向が見られることが明らかになったのです。

これは肉食よりも魚食が良いとされるひとつの根拠であり、日本人の長寿を解明する手がかりになるとの考え方もあります。
良い油が健康度をアップして、長寿をもたらすということです。


慢性炎症は肝炎やがんだけではありません。
ひどい皮膚炎やアレルギー、自己免疫疾患なども原因となります。
その炎症の程度は血液検査値でもわかるときがありますから、CRPという値を参考にしてみてください。



このEPAやDHAをどのくらいの量を与えたら良いのかですが、科学的に裏付けされた決まった量というものはなさそうです。
しかしながら知っておくべき、私も目安にしている比率がありますのでご紹介します。


その比率はオメガ6と呼ばれる油とのバランスです。
オメガ6系のオイルも必須脂肪酸なのですが、最近はその摂り過ぎによってもたらされる健康への悪影響が懸念されています。

オメガ3:オメガ6 = 1:4

このくらいが良いとされているバランスの目安です。

肉好き、揚げ物大好きな人は、これが1:10くらいになっていることも珍しくありません。
1:100くらいだと相当心配です。
バランスを良くするためにぜひ魚を食べましょう。


多くのペットフードもこのバランスで考えるといまいちと言えますので、たまに魚をトッピングしたり、サーモンオイルを使ってみたり、すこし工夫すると良いですね。
何かの病気で治療がうまくいっていないときは、油のバランスについて点検してみると良いかもしれません。


なおEPAやDHAは、酸化して悪くなりやすいとてもデリケートな油です。
全部がだめになってしまうことはないと思いますが、調理するときに焼きすぎないほうが良いです。
空気中の酸素に長く触れてしまうので、干物もあまりよくないかもしれません。


けっきょくは刺し身が一番と思いますが、缶詰もなかなか良いのでおすすめです。
こんどスーパーで見かけたらぜひ缶の裏の成分表示をチェックしてみてくだい。
きっとびっくりするくらいのEPAやDHAが含まれていますよ。


私はいつも鯖缶がストックしていて、小腹が減るとパクパク食べてます^^
ちなみにツナ缶の油はサラダオイルに置き換えられてしまっているので、残念ながらオメガ6だらけです。

油のバランス、この機会にちょっと考えてみていただけると嬉しいです。